PICK UP ACTRESS 堀田真由

PICK UP ACTRESS 堀田真由

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

恋と友情の青春映画「虹色デイズ」で
コスプレ好きで彼氏思いの女子高生役

 
 

――以前「恋愛モノは苦手かも」とコメントしてましたが、「虹色デイズ」のゆきりんはいい感じで演じられたのでは?

「私が苦手なのはどちらかというと、片想いをしていて途中で『好き』と言ったりする、今回だと杏奈(吉川愛)みたいな役なんです。ゆきりんはもう彼氏とつき合っていて、それが当たり前な感じだったので、ギリ乗り越えられたかな(笑)」。

――ゆきりんとつよぽん(高杉真宙)みたいにオタク同士で、一緒にカップラーメンを食べたりするカップルはどう思いました?

「いいなと思います。通っている学校は違うけど、つよぽんぬの友だちとかと集まるお店があるんです。飯塚(健)監督からは『女の子はガッツリ食べるほうがかわいくて、男の子はキュンとするよね』と言われました。それで『じゃあ、カップラーメンを勢いよく食べよう!』となりました。そうやって、みんなと仲良くできるゆきりんもいいなと思いました」。


――2人のカップル感を出すために、意識したことはありますか?

「お互いコスプレやマンガ好きという設定で、高杉さんは本当にマンガが好きな方なんですね。現場で『最近何が面白かった?』と聞いて、オススメしてもらったマンガを読んで、感想を言い合ったりしてました。ゆきりんとつよぽんぬもきっと『ここはこうで』とか言っていたと思うので、そういうのを実際にやりました」。

――劇中で描かれてなかった部分も含め、2人がどんなつき合い方をしてきたかも考えたり?

「そうですね。手をつないでるところがあるじゃないですか。あれは絶対、いつもゆきりんが『つなごう』みたいに手を出すから、つよぽんぬがつなぐ感じがする……という話を2人でしてました。男の子同士で集まっているところを見ても、つよぽんぬは自分から行かないタイプだし、ゆきりんが『ほら! 手をつなごうよ』というテンションなんでしょうね」。

――ゆきりんは他の子と比べても大人ですよね。

「撮影に入る前に、監督から『みんなの恋愛や友情を後押しする女の子でいてほしい』と言われました。すごく現実的なことを言いますよね。『ずーっと好きでいられる保証はないのですよ』とか。それを高校生が言えるのがすごい。大人だし、大人の方にそういう言葉を共感してもらえるんじゃないかと思います」。

――真由さんも落ち着きがある感じだから、その辺は等身大で?

「それはあるかもしれません。そういうところはやりやすかったんですけど、あそこまでテンションの高い女の子の役は初めてで、言葉づかいも『かわいいニャン』とかニャン語を言ったりすることはなかなかないので(笑)、大変だった部分もあります。撮影期間中は違うことをやっていても、ゆきりんが自分に入りすぎて声が高くなっていたり、『そうだよねっ!』みたいにしゃべってました(笑)」。


――ニャン語も出たり?

「ニャン語はさすがに出ませんでしたけど(笑)、原作マンガの女の子キャラクターの中で、ゆきりんは人気投票で1番なんですよ。愛されてるので、どう演じるかより、できるだけマンガと近く、映像で違和感なくやるにはどうしたらいいか、撮る前からすごく考えました」。

――そこが大きなポイントでしたか。

「そうですね。原作があって実写化する作品を、これまであまりやってこなかったので。オリジナルだと答えが決まっているわけではないですけど、今回は原作マンガを好きな方もいらっしゃるから正解みたいなものがあって、そこにどう近づくかが大変でした。テンションのこともあるし、ドキドキしちゃって、撮影初日の前夜は寝られませんでした」。

――初日のどのシーンにドキドキしたんですか?

「大切な縁側のシーンです。つよぽんぬに『東京の大学に行きたいんでしょう?』と言うところで、『頑張らなきゃ』と思っていたら、一睡もできないまま現場に行きました。今まで寝られないことは一度もなかったし、環境が変わっても寝られるタイプなんです。でも、初めて寝られなくて、自分で『相当悩んでいるんだな』と思いました」。

――現場ではどうでした?

「私が考えていたのと、監督がその場で提案してくださったことが違ってました。鉄仮面みたいなのをかぶるじゃないですか。あれは最初なかったんです」。

――へーっ。

「現場でシーンが替わるときに監督に呼ばれて『堀田はここ、どう思う?』と聞かれました。『あれをかぶっておちゃらけていたあとに、取って表情が変わって“こういうことは続かないんだよね”と言ったほうがわかりやすいし、グッとくるよね……』とディスカッションさせてもらって、かぶることになったんです。台詞も直前でだいぶ削って、あまり頭に入ってないまま頑張ってやりました」。

――飯塚監督はわりとそういうことをされるそうですね。

「そうなんです。現場で感じた雰囲気やセットを見てのことだと思いますけど、なぜ変えるのかは私も納得できました」。

――つよぽんが東京に出ることに関しては、真由さんは立場は逆ですが、自分が滋賀から上京するときのことを思い出したりも?

「それはなかったかも。私は即決で『行く!』と言ってたので(笑)」。



 
 

普段はキャピキャピできないので
テンションの高い役は大変でした

 
 

――女の子3人でパンケーキ屋に行って、杏奈がやけ食いしている中で、恋バナをするシーンは楽しそうでした。

「あそこはゆきりんが1人でテンションが上がっている感じでしたね。2人は恋に奥手なタイプで、ゆきりんだけ彼氏がいるから、その違いを見せられたらと思いました。『キスとかする?』と聞かれて、当たり前のように『そりゃ、するよ』と言ったり……」。

――真由さんが友だちと話すときもあんな感じ?

「私はやっぱり『落ち着いてるね』と言われることが多くて、あまり年相応にキャピキャピできません。そこがゆきりんと違いすぎて、しんどかったです。私はあまりテンションが上がったりしなくて、ずっと同じなので。だから、撮影のときは力が入りました」。

――オタクの部分を出そうとしました?

「そこはコスプレの衣裳とか、セットのマンガがいっぱい入っている棚とか、周りのものに助けてもらいました。私は○○オタクというものがまったくないんです。なので、撮影中はマンガを常に読むように意識してました」。


――でも、映画はかなり観ているんでしたっけ?

「映画は好きで、結構観に行きます。渋い作品が好きです。最近は洋画をよく観ていて、この前は初めてフランス映画を観ました。『たかが世界の終わり』という、『Mommy』とかを撮ってらっしゃるグザヴィエ・ドラン監督の作品で、日本映画とは違う撮り方が面白くてハマりました」。

――ゆきりんと自分で近いところはありませんでした?

「ゆきりんはつよぽんぬに対して一途ですよね。その一途さは私も同じだと思います。人に限らず、夢とか仕事に対して真っすぐになるところは一緒だと感じました」。

――文化祭の思い出はありますか?

「あります。私は高2で転校して、地元と東京の文化祭を両方経験していて、クラスでダンスをやったりしました」。

――もともとバレエをやってたんでしたっけ?

「やってました。だから踊るのは好きなんですけど、あまり前に出ていくタイプではないです。でも、文化祭とか体育祭とか行事ごとは率先してやりたくて、普段の授業だと当てられると顔が赤くなったりするのに、たとえばクラス対抗リレーで『誰が出る?』となったら『ハイ! 出ます!』みたいな感じです(笑)」。

――じゃあ、文化祭の仕込みも進んでやってたり?

「放課後にギリギリまで残ってやってました。それも本当に真っすぐになってしまうので、やり切らないとスッキリしないんです。任されたら最後まで一生懸命やりました」。


――「虹色デイズ」では最後の文化祭がクライマックスになっていましたが、現実では?

「当日はお仕事で出られなかったんですけど、その分、準備を真剣にやりました。クラスで食べ物を出すお店をやって、私は装飾を作って、風船を100個くらい膨らませたりしました(笑)」。

――本当に虹色デイズを過ごしていたんですね。

「そうですね。高校は仕事もやりつつ、ちゃんと行っていたので。今回の撮影でも『高校生はこんな感じ』というのは、理解できていた気がします」。

――男子たちの台詞で出てきた“17歳の特権”もわかります?

「高2ですよね? 『一番楽しいよね』と言っていたのは覚えてます。高校に慣れていろいろわかってきて、まだ進路のことも考えなくてもいいので」。

――どんなことをしていたときに、青春を感じました?

「そのときは感じませんでした。何もかもが日常で、今になって『あれが青春だったかな?』という感じです。何にしても真っすぐ頑張ることが青春だと、後から気づきました。『虹色デイズ』を撮影していたときも、普通にゆきりんとして過ごしていて、撮影が終わってから、ふと『すごく青春していたな……』という気持ちになった感じです」。

――真由さん自身は4月に20歳になりましたが、何か高校時代と変わったところはありますか?

「視野が広がった気がします。最近、大人の方の話をもっとたくさん聞きたくなってきました。あと、時々インドアになりがちだったのが、最近は自分から『ごはんに行こうよ』と誘ったり、ちょっと社交的になってきたかもしれません」。

――おでこを出す髪型は、これからも変えないんですか?

「そうですね。『いいおでこ』と言われるので(笑)」。



 


 
 

堀田真由(ほった・まゆ)

生年月日:1998年4月2日(20歳)
出身地:滋賀県
血液型:O型
 
【CHECK IT】
「アミューズオーディションフェス2014」でWOWOWドラマ賞を受賞。2015年にドラマ「テミスの求刑」(WOWOW)でデビュー。主な出演作はドラマ「わろてんか」(NHK)、映画「トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡」、「狂い華『呪いうつり』」、「36.8℃ サンジュウロクドハチブ」など。「コクーンシティ」イメージキャラクター。映画「虹色デイズ」は7月6日(金)より全国公開。7月13日(金)スタートのドラマ「チア☆ダン」(TBS系/金曜22:00~)に出演。映画「あの日のオルガン」が2019年2月に公開。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「虹色デイズ」

詳しい情報は公式HPへ
 

(C)2018「虹色デイズ」製作委員会(C)水野美波/集英社
 
 

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