PICK UP IDOL つばきファクトリー
PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=田中裕幸
4thシングルをリリース
得意分野の”せつなさ”の表現の幅がさらに広がった
――5カ月ぶりのニューシングル「デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい/純情cm(センチメートル)/今夜だけ浮かれたかった」が発売されました。中でもいち早くミュージックビデオが公開された「純情cm」は衣装の可愛らしさの一方、せつなく大人っぽい曲になっていますね。最年少(15歳)の秋山さんは楽曲の世界に入っていくのが大変だったかも。
秋山眞緒「最初は歌詞を読んで曲の世界観を理解するのは難しいなと思ったんですけど、歌の指導を受けたり、振付も入ってくる中で、感情を込めて歌うことが楽しいなと思うようになりました」。
――MVでは一眼レフのカメラが印象的なアイテムとして登場します。カメラといえば、カメラが趣味の小片さんの私物が、前作のシングル「I Need You 〜夜空の観覧車〜」のMVで登場していましたが、もしかして今回登場しているのも……?
小片リサ「いえいえ。今回のMVで使われたのはアンティークなカメラです。でも、MV撮影のときにはオフショットを撮るために自分のカメラを持ち歩いて、もしかしたらMVで使われるかなと思ってこれ見よがしに出していたんですけど、使われることはなかったです(笑)」。
――小野田さんは撮影を経験していかがでしたか?
小野田紗栞「つばきファクトリーは9人いるので、せつない曲でも表現の仕方が違って、あとからミュージックビデオを観ると、“この子はこういう表情をしていたんだな”と感心させられることがあります。またフリーで踊ってもいい部分では“自分が考えつかないような踊りをしているな”と驚かされる子もいます」。
――特にすごいなと感じさせられたのは?
小野田「秋山眞緒ちゃん。ダンスもそうなんですけど、表現の仕方がすごく上手なので」。
秋山「嬉しいな。私もミュージックビデオを観て発見することが多くて、「純情cm」では小片リサちゃんのセリフの言い方がすごく好きなんです。『告白しても いいですか?』の『いいですか?』の部分がせつなくて、そこにグッときます!」。
小片「(笑顔になる)。セリフもそうだし「純情cm」に関しては、つばきファクトリーが得意なジャンルの楽曲だなと思って、表情もせつなめなんですけど、いつもの自然な感じで撮影に臨むことができたなと思います」。
――確かに、つばきの“王道”といった感じの楽曲ですね。では「今夜だけ浮かれたかった」については?
小野田「個人的にすごく好きな楽曲です。タイトルの言葉を何度も何度も繰り返すので印象に残りますし、曲の最後に転調があって、すごく盛り上がりがあるので、注意して聴いてほしいです。ライブでもみんなで盛り上がれるんじゃないかと思います」。
――そして、「デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい」はタイトルがとても印象的です。
小片「この曲は久しぶりに、つんく♂さんが作詞・作曲した楽曲です」。
――確かに久しぶり。つばきにとっては……?
小片「メジャーデビューシングルの「Just Try!」以来です。つんく♂さんといえばリズム重視というイメージがあるんですけど、レコーディングをしたときから難しい印象があって、ちゃんとできているか不安でした。せつない楽曲ではあるんですけど、今までにないような大人びた表情だったり、振付も今までにあまりない動きなので、ミュージックビデオでも、ステージでも歌っていて難しいなと思います。でも歌詞は等身大だと思うので、そんな歌詞をうまく伝えられたらいいなと思います」。
小野田「個人的にリズムをとるのが苦手なので、仮歌を聞いたときに、“あ、難しいな”と思って、何回も練習したり、レコーディングのときも手こずって、何回も何回も録り直してもらいました」。
――今回のシングルは大人っぽい曲調が目立つのかも?
小片「そうですね。「純情cm」も「デートの日は〜」もせつない曲なんですけど、いろんな“せつない”があって、前作の「I Need You 〜夜空の観覧車〜」は“落ち着いた感じだけど可愛くてせつない”だったり、同じ“せつない”でもいろんなジャンルがあるなと思うので、それを表現できるのは楽しいなと思います」。
――メジャーデビューから2年目に入ったので、多彩な表現力が身についてきたのかも。無我夢中だった1年目と比べて、少し落ち着きも出てきたのかもしれませんね。
小片「今年前半、デビューして1年ちょっとでツアーをやらせてもらって、ツアーの期間は必死に挑戦し続けていたんですけど、そのツアーも終わって、いい意味で落ち着いてきたかなと思います。それまでは結構思いっきり行って、それで焦って……ということも多かったんですけど、今は冷静になれて、みんなでじっくり考えて行動できるようになれたかなと思います」。
――たとえば「見せ方をこうしたほうがいい」とか?
小片「話し合いというほどじゃないですけど、パフォーマンスについてみんなで会話する機会が増えたように思います」。
――そういうときに場を仕切るのはサブリーダーの小片さんのイメージがあります。リーダーの山岸理子さんがそれを笑顔で見守っている……という感じで。
小片「いえいえ。そんなことはなく、私はみんなの話を聞くことのほうが多くて……」。
小野田「誰が仕切るというより、自分が言いたいことがあったら言ったり、指摘しなきゃならないときには指摘したり……」。
小片「でも、しいて言えば岸本ゆめのちゃんがよく話したり、そこに小野瑞歩ちゃんが率先して会話に参加したりします。あの2人がよく話しているイメージがあって、それをみんなが聞いて、ちょっと違うなということがあったら他の人が口を挟んだり……という流れはあるかなと思います」。
――秋山さんは一番年下だけど、話がしっかりしていますよね。
秋山「うぇー、そうですか!? いつも私は同年代の中ではしっかりしているほうだとみんなに言うんですけど、全然信じてくれなくて……」。
小野田「わたし的には最年少らしいなと思います。無邪気なんです。楽屋でもずっと話してますが、真剣な話をしているときは意外と真面目なときも多いです」。
――あと、記者会見の取材をさせていただくと、デビュー当時は小片さんだったり、話すメンバーが限られていた気がしますが、最近は各メンバーがキャラを発揮しつつありますね。特に小野田さんはグイグイ前に出てくるようになってきました。
小野田「だんだんいろいろと学んできてます(笑)。最初のころは何も知らなくて、どう発言すればいいのかわからなかったんですが、よく話しているリーダー、サブリーダーの姿を見たり、同期の小野瑞歩ちゃんが新メンバーとして加入したころは全然しゃべれてなかったのにすごくしゃべるようになったので、自分もすごく焦りを感じて、自分なりにもっと話していかなければならないなって思うようになりました」。
小野田が持っている意外な(!?)年間パスポート
そして、秋山が最近作った“料理”とは?
――ここからは少しプライベートな話も。それぞれ今ハマっていることを聞きたいなと思います。
小野田「私は水族館がすごく好きで、年間パスポートを持っているんです。イルカのショーだと時期によって内容が変わってくるので、いろんなショーを観るのが楽しみ。お魚さんや水族館についてもっと詳しくなりたいなと思っています。ペンギンさんのショーの説明が上手だなといつも感心していて、私もできるようになりたいなと思っています。あと、お魚さんの特徴が書いてあるじゃないですか、そういうのを覚えて詳しくなりたいです」。
――小片さんは冒頭で話が出ましたが、カメラに凝ってるんですよね。
小片「はい。一人旅に行って、カメラを持ち歩いて撮影したりしています。昨年の夏に京都に行って、この間は日帰りですけど鎌倉にひとりで行ってきて、写真を撮ってきました。それと、やっぱり今熱いのはサッカーですね!」。
――以前のインタビューで“鹿島アントラーズ愛”を語ってくれてましたね。もちろんワールドカップも観ていた?
小片「はい! 家でも日本代表のユニフォームを着て応援していました。タオルも首にかけて(笑)」。
秋山「私は今年高校生になってから自分で料理を作りたいと思うようになりました。以前はお菓子作りはやっていたんですけど、最近は飽きちゃって、次は料理に挑戦しようと思って……。料理ができる女子ってやっぱりかっこいいですよね」。
――すでに何か作ったりしてるの?
秋山「最近はサラダを作りました!」。
一同「(笑)」。
――それは料理というのかな!?
秋山「あとはステーキを自分で焼けるようになりました。お肉が好きなので、ステーキを自分で焼いて、ソースも自分で作ってます」。
――市販のソースじゃなく自分で調合して?
秋山「はい。あとはファッションも磨きたい! アンジュルムの勝田里奈さんや佐々木莉佳子さんのファッションが独特で見ていてカッコいいなと思うので、ファッションでも目立っていきたいなと思います。今までお母さんに買ってもらってたんですけど、お母さんだと『これ安いから買ってきた。いいやろ?』という感じなので、最近は自分のお小遣いから高くても自分の好きなものを買うようにしています」。
1本1本のライブやイベントを
“当たり前”と思わないように
――さて、これからメジャーデビュー2年目後半ですが、さらにその先に向けてやっていきたいこと、心掛けたいことは?
小野田「メジャーデビューシングルや2ndシングルのころは、お祝いとしてたくさんの方がリリースイベントに来てくださったり、珍しさで観に行ってみようと思っていただいたと思いますが、2年目に入りもう新人ではないので、もっとパフォーマンスなど全体的にレベルアップして、実力を認めてもらえるようなグループにならなければと思います。グループとしてのまとまりもそうだし、個々としても輝いていけるようになりたいなと思います」。
――ずっとハロー!プロジェクトの中で一番の妹グループだったけど、今はデビューを控えた後輩グループも準備を進めていますからね。
秋山「今、新曲のリリースイベントをやっているんですけど、最近『今日初めて来たよ』と言ってくださる方が多くて、それがすごく嬉しいんです。リリースイベントをやるたびに、『つばきファクトリーを好きになった』と言ってくださる方が増えるように頑張りたいと思います。あと、個人的には歌をもっとがんばりたいと思います。私はダンスには自信があるんですけど、歌はまだまだ自信がないので。アイドルってやっぱり歌って踊れてというのが基本だと思いますから」。
――小片さんや小野田さんは個人的に挑戦してみたいと思うことは?
小片「私は好きなサッカーを生かしたお仕事もできるようになれればいいなと思ってます。今、モーニング娘。’18の石田亜佑美さんとアンジュルムの佐々木莉佳子さんが東北楽天ゴールデンイーグルス関連のお仕事で始球式に出たりされていますが、サッカーが好きというメンバーはハロー!プロジェクトの中では少ないと思うので、これからもサッカー好きをもっとアピールしていきたいです」。
小野田「私は個人的にはラジオの仕事をひとりでやってみたいなと思っています。自分のことを話すのが好きで、ひとりでずっとしゃべり続ける自信はあるので。また、ハロプロ研修生のころもやらせていただいたのですが、声優の仕事もまたやってみたいなと思います」。
――そしてグループとしての意気込みを最後にサブリーダーから。
小片「つばきファクトリーは、2年目に入ってツアーやリリースイベントをやらせてもらっていますが、それを当たり前じゃないと思うようにしたいです。秋にまたツアーをやらせていただきますが、毎回毎回新鮮なものを届けていけるグループになれればと思います!」。
つばきファクトリー(つばきふぁくとりー)
2015年、ハロプロ研修生内ユニットとして6人で結成。同年インディーズデビュー。2016年に3名が追加加入し現在の9人体制に。2017年2月、「初恋サンライズ/Just Try!/うるわしのカメリア」でメジャーデビュー。
【CHECK IT】
7月18日(水)に4thシングル「デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい/純情cm(センチメートル)/今夜だけ浮かれたかった」をリリース。現在、ハロー!プロジェクト総出演のコンサート「Hello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project 2018 SUMMER 〜ALL FOR ONE〜」「Hello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project 2018 SUMMER 〜ONE FOR ALL〜」を開催中。また、「つばきファクトリー ライブツアー 2018秋 –微熱–」が9月16日(日)からスタート。8月3日(金)には「TOKYO IDOL FESTIVAL 2018」に出演。
詳しくはつばきファクトリー 公式サイトへ
小片リサ(おがた・りさ)
生年月日:1998年11月5日(19歳)
出身地:東京都
血液型:A型
小野田紗栞(おのだ・さおり)
生年月日:2001年12月17日(16歳)
出身地:静岡県
血液型:O型
秋山眞緒(あきやま・まお)
生年月日:2002年7月29日(15歳)
出身地:大阪府
血液型:B型